スイスすごろく++スタートはドイツ++

計らずもドイツからスイス(ドイツ語圏)へ移住 両国の生活を比べつつサバイバル方法/学習記録をメモしていきたいと思います。

ドイツとスイスの有給休暇のこと

Beach

数年前からネットでちょくちょく、ヨーロッパ内での有給休暇日数の多さと取得率に関する事を目にするようになりました。

 

ドイツの休暇事情についてもちらほら。

日本の有給休暇の取得事情に比べると年間で約30日(詳細は契約により異なります)の有給休暇のあるドイツの状態は、冗談ですよね?という感じかもしれません…。

 

私もドイツでこの休暇日数を消化してきた身なので、日本でもこういう風になれば友達がもっとヨーロッパに気軽に遊びに来てくれるかもしれない、もっと会えるようになるかもしれない、とたまに夢見ていました。

 

ネットで見るドイツの休暇事情に関して、おおむね間違ってはいないのですが不思議に思っていたのが誰かが休暇に出た時の業務がどうなっているかがあまり書かれていなかったこと。私が目にしたものがそういった記事が多かっただけかもしれませんが。

 

なので、ドイツとスイスの有給休暇の経験者としてあまり他で書かれていない裏側について書いていきたいと思います。

 

私の知っている限りの事しか書けませんのであしからず…。

主にドイツで経験したものは出張とホームオフィスベースの外勤の仕事と、事務がメインの内勤でした。

 

外勤のものは私が休暇に出たら代わりに働く人はほぼいませんでした。

どうしても見てもらわないといけないものに関しては、時々同僚に見てもらう程度で私がいない間の仕事は動きません。

 

内勤のものは、私の代わりに業務をしてくれる同僚がいます。

休暇の際にバックアップをしてくれる人、というのは事務職だとドイツでは決められているのが一般的かと思います。ドイツの勤務先では1対1でのバックアップの相手が決まっていました。年間の休暇の予定も相手の休暇事情と合わせて相談して決めます。部署内で他のペアを組んでいる人ともあまり休暇をかぶらせないように、との上司からの指示もあったのでそこも加味していました。病欠の際も基本的にはそのバックアップ相手が業務を代わりにしてくれます。

 

私の勤務先では1対1でしたが、ドイツ人の友人の職場では3人でグループを組んで、一人が休めば残りの2人がバックアップ、という所もあるようでした。

 

今現在のスイスの勤務先では約8人の部署内で、最高2人までが同じ時期に休暇取得が可能、残りの人に休暇に出る者がバックアップを振り分ける、という仕組みです。

年間の有給休暇日数は25日です。(これも契約により異なりますが一般的には25日)

 

ドイツで働いていた時は、休暇や病欠時での業務負担も加味して業務量が決められていた様に思います。何もない日は緩やかな業務内容で、むしろ暇だと思う時間が多かったです。それでも私が働いた会社だけの話かもしれませんが、他のドイツ人の友人に聞いてもそこまで忙しい!という発言はあまり聞いた事がなかったので、日本での働き方に比べたらのんびりなのかもしれません。

 

スイスの勤務先ももちろん、バックアップ時の負担も考えて業務量が決められていますが基本的には毎日みっちりとやることがあり忙しいです。ただ、ドイツの時のように1対1でバックアップをする訳ではなく1対4、1対5、などの割合なので普段の忙しさにバックアップ業務が増えてもさほど影響はありません。

 

こういう風にバックアップ業務がある事が必須の状態なので、部署内でできるだけ皆が似たような業務が出来るように振り分けられている様にも思います。

 

ヨーロッパでの長期休暇の裏にはほぼバックアップ業務があると思います。

管理職や営業職の人の場合はバックアップが無く、その人達がいない間は業務は止まる、または一部は1週間に2日ほどメールを少しチェックしたりどうしても緊急の場合は電話対応も可能ですが、基本的に連絡する側も休暇を邪魔するなんてナンセンスという考えですので職場にいる人間が出来る範囲でサポートしている印象です。

一部上司で休暇中もメールをチェックする人がいましたが生粋のドイツの人ではなくむしろ仕事が趣味の様な人でした。

 

このシステムを確立させられれば日本でも長期休暇を取ることは可能だと思います。

また、休暇とは誰かに迷惑をかけて楽しむものではなく、バックアップをしてもらうのもするのも業務のうち、という前提であれば気を遣うことも少なくなると思います。

以前スイス人の同僚が言っていたことですが有給休暇も稼ぎのうちですので、無銭飲食でもなんでもなくきちんと労働という対価を払って取得するものです。有給休暇を取らないのは貰うべきお給料を貰っていないのと同じ事。(↓の投稿です)

 

do-sui.hatenablog.com

 

もちろん、人間ですので誰かに業務をお願いするというのはこちらの人も気を遣います。ドイツで1対1でバックアップをお願いしていた時は、急に2日位休みたくなった時など相手に気を遣いながらお願いしましたし、長期休暇に出る前には数日前から準備をしてできるだけ相手の負担が少なくなるよう心がけていました。

 

休暇後のメールチェックなどは量が多いので緊張するものがありますが、長期休暇中にできるリフレッシュの醍醐味を思うと休暇明けのバタバタなどは…まぁ、仕方ないよね、と私は思っています。

 

スイスの職場では決められた相手ではなく自分でバックアップ相手を振り分けないといけないので休暇前には少々ストレスを感じます。私は大体5人位に振り分けるのでひとりひとり訪ねて行って、バックアップしてくれる?と聞くのです。

 

これがなかなか緊張します。私が日本人だからかもしれませんが…。

もちろん皆快く引き受けてくれますが、それでも忙しそうにしている人には言いにくい…。かといってその人抜きにすると残る人の負担が増える、、となかなかお腹痛い案件ですが物は考えよう、やはりそういう経験を重ねるうちに苦手だったことが気づいたら苦手事項ではなくなっている、などあるので乗り越えた身としては悪くありません。

 

言いたいことは言ってなんぼ、自分の意思は表明してなんぼ、の欧米文化ですので遠慮ばかりしているとやはり個性が埋もれてしまうのは事実。

日々葛藤でございます…はい。

 

で、まあこの状態に関してはお腹痛い案件だけではなくて、ポジティブな面もあります。バックアップをお願いし合うという事で部署内でギスギスできません。

皆とある程度仲良くいないと。同じ部署内でも業務で関わりがないとギスギスすることは可能かと思いますが、このシステムだと絶対に誰かと関わりしかもお願い事をするという事で仲違いなど許されないのです!! …いや、許されますが…そんなのめんどくさいでしょ後々。。なんて。

 

内勤の事務職のバックアップ事情について簡単に書きましたが、ドイツ人の友人でデザイナーやメディア関係で働いている人々の事情は違うようでした。デザイナーの友達はいわゆるブラックな会社だったようで業務時間外でも電話が鳴り、休日に急に数時間働いたりもしていました。メディア関係の友人は休暇でドイツを出ていない場合は急に駆り出されることもある、と言っていたので休暇中はドイツから遥か遠くに旅に出ていました。

 

以上、ここまではざっくりと有給休暇時のバックアップシステムについて書きました。

(もちろん私の経験談なのでドイツ、スイス全体に言えることではないです。)

 

次の投稿で病欠についての話を書いていきたいと思います。